いよいよ「三菱未来館」への入館が始まりました。期待感に胸が高鳴ります。ジェンダーレスデザインのスタッフのユニフォームも涼し気でおしゃれです。まずは地下から1階に移動し、立ち見でプレショー映像を見ます。宇宙船に乗って深海から宇宙まで生命の誕生を辿っていく内容のようです。上階のシアタールームに移動してやっと席に座れました。高齢の両親だけでなく、私も周りの人たちも座れたことに安堵している様子でした。メインショーの詳しい内容は言えませんが、イスが動いたり3Dのような視覚はないものの、興味深い研究内容と大迫力の映像で見応えがありました。
さて、15時予約の「EARTH MART」まで時間の余裕があるので、どこか空いているパビリオンを見ることにします。また大屋根リングの内側まで戻りますが、移動するには本当に敷地が広すぎる。疲れ気味でリングを通り抜けると、2列の長い並びが出来ています。アメリカ館の4時間待ちの列と、フランス館の2時間待ちの列でした。見たかった2館ですが、もちろん並ぶ気力はありません。
列を横切り空いていそうなパビリオンを探しますが、あまり移動すると疲れるので、目の前で列がスイスイと動いているベトナム館に入りました。列に並んで10分もかからず入れました。ベトナムの風景や伝統工芸品等が見られて面白かったですが、ワンターンで回れる広さだったので、見るのに5分とかかりませんでした。並ばないパビリオンにはやはりそれなりの理由があるようです。
「EARTH MART」は今いる場所の真反対にあるので、徐々にそちらに向かいつつ、空いていそうなパビリオンを見つけつつ歩きますが、徐々に父が疲れてベンチで休みがちになりました。ベンチも空いているのを見つけ次第座らないと、すぐに誰かに取られてしまう争奪戦となっています。高齢者も含め疲れてぐったりとしている人が結構見られました。外国の人々などは芝生を占拠して寝ていたりもします。
ここで、おやつタイムにしようと両親をベンチに残し、何かぱっと買えるものを探しにいきました。近くの屋台で和栗のホイップクリームが入ったドーナツを買えました。3つで1800円、結構な値段でしたが、甘いものを腹に入れ父も少し気力が復活したようです。
そのまま、目の前にあったコモンズA館に行きます。ここも列の流れがスムーズですぐに入れました。主にアフリカ諸国や太平洋・カリブ海の島嶼国等のブースが集まったパビリオンです。民族衣装や伝統工芸、芸術品などを見て回ります。各国のそれぞれの文化を感じられ興味深く、時間をかけて細かく見ていけば面白かったでしょうが、疲れているのでサッと流し見する程度で回っていきました。
時間も迫って来たので、「EARTH MART」へと向かおうとしますが、ここで父がギブアップします。足腰が痛いようで、ベンチで休んで待っているから2人で見て来いと言います。けれども、戻ってくるまでどれくらい時間がかかるかわからず、会場内に11万も人がいる中で、携帯もスマホも持っていない父をひとり置いていったら、もう2度と会えないような気がします。これ以上歩かせるのも酷なので、ここまでにして帰宅する提案をしました。
ところが、父にとってそれは申し訳ないと思ったようで、休み休みなら行けそうだということになりました。帰っても全然大丈夫なので、無理をさせて申し訳ないと思いました。なるべく最短で行こうと思いましたが、静けさの森を通ると方向感覚がなくなり、買った地図を見てもどこにいるのかわからなくなりました。ボランティアの方に聞くと少し外れたところにいたようで、余計な体力を使わせてしまいました。
なんとか15時ギリギリに到着し、「EARTH MART」に入れました。こちらも詳しい内容は省きますが、食文化と食べ物の消費や食料になる生き物のいのちの大切さを学べる内容で素晴らしいものでした。ただ、館内もまた歩いて回るので、後半の映像体験待ちの時間(10分くらい待たされる)、両親は早く帰りたいモードになっておりました。


見終わると、両親ともにやや速足で真反対の東ゲートへと向かいます。もう一刻も早く家に帰って休みたいといった気分が出ています。疲れ切った人々のために、ミニトラムのような会場内を巡回する乗り物があったら便利だなと思いました。パーソナルモビリティという電動車いすのようなものはあるようですが、利用条件や手続きに不便な点も多く、気軽にちょい乗り出来るようなものではありません。混雑の中、高齢者が乗るのも危なかしくて薦められないと感じました。実際乗っている人は見かけませんでしたし。
途中ベンチで休みつつトイレを探しつつしながら、結局30分くらいかけて東ゲートにつきました。最後にお土産屋を見たいと思っていましたが、ショップにも長い列が出来ており、もう3人とも疲れて並んでまでお土産を買う気力もないので、そのままゲートを後にしました。
帰りの混雑はドローンショーが終わってからだそうで、16時台の電車は比較的空いていました。万博滞在時間は5時間ほどでしたが、これくらいで帰るのが良かったと思いました。
会場内は広々として良いのですが、移動は歩きだけというのは大変疲れました。奥(海側)に行けば行くほど帰りが辛くなるのも難儀です。会場内だけで、1万5千歩ほど歩いていました。
高齢者を連れての万博は体力との相談でもあるので、あまり多くは見られませんでしたが、雰囲気を味わわせてあげられただけでも良しとしたいと思いました。今後は入場者数も暑さも増すので、このタイミングで来られたのもベストだと思います。
家に帰ったら疲れて早めに寝るのかと思っていたら、父母ともに夜までずっと高揚してしゃべっていたので、それなりに楽しんでくれたのだなと安心しました。あと何回出来るかわからない親孝行が出来て良かったです。