<そこに光が降りてくる> 美術館散歩 その5 東京都庭園美術館 

隠遁ブログ
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東京都庭園美術館で開催中(~2月16日迄)の「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」展に行ってきました。

東京都庭園美術館は、アール・デコ様式の旧朝香宮邸がそのまま美術館になっており、外観や各部屋の内装、装飾や調度品に至るまで、建物そのものに美術的価値があります。

それらを見学するだけでも面白いのに、そこに作家の作品が展示されると、アール・デコ様式の室内との相乗効果で、ここでしか観られない唯一無二の空間芸術が創り出されるのです。ここは東京の中でわたしが最も好きな美術館です。

毎回、美術館へは一人で行くことが多いのですが、有難いことに今回は友人が一緒に行ってくれることになりました。今日は美術鑑賞以外にも色々と楽しみです。ロッカーに荷物を預けて、さぁ、出発です。

大広間に出ると、いきなり目を奪われたのは、テーブルにずらーっと並べられたきらびやかな三嶋りつ惠さんのガラスオブジェの数々です。中庭や奥の部屋の窓から差し込む、冬の柔らかな光に照らされて、きらきらと光の輪郭を生み出しており、その美しさにゾクゾクとしてきます。

大客室に進むと、青木野枝さんの鉄製品のオブジェが出迎えてくれました。鉄のリングがフラクタル状に、無数に接合された半円形の物体に、なんだこれはと好奇心がくすぐられます。

所々に赤いガラスが鉄のリングから微妙にずらして重ねられており、月の満ち欠けのようなスキマを生み出しています。窓からの光が床に幻想的な影を作り出して素敵です。大食堂では、円形の張出し窓に、球体のオブジェが配置され、異質と調和のバランスがせめぎ合うような緊張空間を作りだしておりました。

さて、2階の展示へと向かいます。このフロアにも宮家御一家のそれぞれの寝室や居間、ベランダや浴室等に、それぞれの作品が作家の意図とインスピレーションのもと、降り注ぐ光とともに配置されております。

友人とはそれぞれのペースで作品を鑑賞しつつ、時には作品について語り(もちろん小声で)つつ、2階の各部屋を回って、新館へと移動しました。

新館の大きなギャラリーで展示されていた青木野枝さんの鉄のオブジェ群は圧巻でした。どの作品もそうですが、最後の展示は特に現場で体験しないと味わえないスケールの大きな作品でした。

ギャラリーを出て展示はこれで終わりかと思ったら、ミュージアムショップの外にもお楽しみの展示がありました。行かれる方は見つけてみて下さい。

友人と展覧会を堪能して、ミュージアムショップのグッズも時間をかけて見て回り、本日の美術館散歩ランチは併設の「CAFÉ TEIEN」でとることにしました。テラスのベンチに座り庭園を眺めながら、1時間ほど優雅に食事とおしゃべりを楽しみました。

テラス席からの優雅な眺め
サンドイッチBENTOと鹿児島緑茶ゆたかみどり

その後は庭園をのんびり散歩して癒されました。東京都庭園美術館は美術館と庭園がセットで楽しめるので、一日居続けられます。西洋庭園に置かれている椅子に座って、ぼんやりしながらまた1時間ほどだらだらとおしゃべりしました。友達と来ると美術鑑賞後の時間もこんな風に楽しめるのだなと感謝。優雅で贅沢な一日を過ごすことが出来ました。

そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠 | 東京都庭園美術館 | TOKYO METROPOLITAN TEIEN ART MUSEUM

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