20年近く勤めていた会社は、某通信系企業の系列会社でした。
私はその会社が運営するコールセンターで運営管理のマネージャーをしておりました。
業務内容は、センター全体の進捗や売上の管理、部下への業務指示やシフト管理、評価査定、クライアントとの契約交渉、新規事業の立ち上げ、新規採用等、多岐に渡っておりました。
私は仕事をする上では、常に前向きなマインドを持っていることが大事だと考えております。
前職も勤め始めの頃は、100名規模の大きなコールセンターだったこともあり、そのマネージャーという重責にプレッシャーを感じながらも、それ以上に働きがい、やりがいを感じながら仕事に励んでおりました。センターの利益や従業員の働き易さを考え、職場を改善していくことが、プラスの流れを生み出し、お客様応対に反映され顧客満足度も上がっていく。そのようなことに喜びを感じながら仕事をしておりました。

ところが長年勤めていく中で、私のコールセンターは予算削減など様々な要因で、年々規模が縮小していきました。最終的にコールセンターの形態も、一般顧客向けの大規模なコールセンターから、事務処理部門だけを残した小規模な社内向け問合せセンターへと鞍替えせざるを得なくなりました。
そうなると、業務内容は限定的となり、新たな仕事が追加されることはほぼ無くなります。少人数でも出来るルーチン的な業務内容が主となった為、会社の方針として、やる気のある人や優秀な人は率先して他部署へ異動させたり、転職を斡旋したりして人員削減を図ることになります。その結果、変化に消極的な現状維持志向の人が残っていくという状態になりました。
業務がルーチン化していくと、それは作業というものになります。プラスアルファの思考をもって働く必要がない職場というものは、現状維持思考の人達には楽な環境であったと思います。何をするにも消極的な空気が漂い始め、自分の前向きマインドも引きずられそうでした。どことなくセンターが「死に体」に向かい始めている感じがしました。
そんな状況下で、私は部下の業務をフォローすることも増えました。自分の業務もこなさなければならず残業も多くなりました。業務状況も考えずに年休を取得したり、突発休をしたりする者もいたので、本来私の仕事でない電話対応を行うこともありました。自分以外マネージャーの代わりもいないことから、長期休暇を取ることも難しくなり、私の心身の負担は最大限になっておりました。